データと現場の違い
2011-01-23


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統計データは、もの大局的に見る時には極めて重要です。なので、何かを考える時には、最初に、参考にすることになります。ただ、よく言われるように、データだけで判断すると判断を謝ることがあります。俗に言う、三現主義(現場、現物、現実)です。雲の見るところ、日本の政治と政策の世界では、統計データなどを用いた論理的な話だけで、現場の実情を考慮した議論があまり見られないように思います。例えば、TPPで農業の切り捨てを容認する立場の人たちは、いわく、農家の規模を2倍に拡大すればコストが半分になる。などと発言をしています。なるほど、統計データを見る限りその議論は真でしょう。では、なぜ、規模拡大をすることでコストが半減できるのに、これまで(少なくとも、戦後60年も経っているのに)農家の規模拡大が実現しないのでしょうか?ここに議論の中心をもっていなければ、規模拡大によるコスト削減の可能性など、机上の空論。と雲には感じます。つい最近、NHKで放送された番組でこれに該当するものがあります。

NHK 東北特集「農業と農政の50年」

[URL]

農林水産省は、戦後、規模の拡大によるコスト半減を実現するべく政策を立案していきましたが、実際には、様々な思惑などが絡みその実現には至っていません。農林水産省の政策や方針が正しかったかどうかはともかく、規模拡大が一筋縄ではいかなかった。という背景を無視して議論を展開されても、雲には、さっぱり理解できません。

正直なところ、雲は、頭でっかちな議論は聞き飽きました。データや理屈ではなく、三現主義に立った議論をお願いします。心からのお願いです。

補足1

2007年2月(農水省)。国境措置を撤廃した場合の国内農業等への影響(試算)

[URL]

p7. 生産性向上努力と関税水準

(前略)

狭い国土、湿潤で病害虫が発生しやすい気象、高い人件費等わが国の農業生産の前提となる諸条件の下では(大規模化や技術革新によって)農業者の生産性向上努力を最大限に引き出したとしても国土条件が大幅に異なり、経営規模にしてわが国の百倍から千倍もの大規模経営が広がる米国や豪州のような国で生産される低廉な農産物との価格差を完全に解消することは不可能

(以下略)

[その他]

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